ペルシャじゅうたんから始まったじゅうたんの歴史

じゅうたんは日本でも昔から馴染みのある繊維でできた床材です。部屋の中でも靴で過ごす欧米の文化と違い、日本は家の中で素足で過ごす文化です。四季それぞれを快適に過ごすために、床材の選定にも技巧をこらし、夏は涼しく冬は暖かく過ごすことができるようにしました。そもそもじゅうたんの由来は、3000年前もの昔にさかのぼります。これは日本がまだ狩りをして、洞穴で生活をしていた縄文時代の辺りになります。ペルシャじゅうたんで有名な現在のイラン付近に、パイルのあるじゅうたんが生まれました。


パイルとは織物の表面を覆っている輪奈や羽毛のことです。パイル織物の代表的なものが、現代のタオルです。またこのパイルをカットしたものの一種が、ベルベット(ビロード)になります。やがてこの手作りの技法がシルクロードの通りインドを経て、中国へ伝わっていったのです。このペルシャじゅうたんの手作りの技法は、現在も引き継がれており、その手間と模様の美しさから、だんつうと呼ばれる高級品となっています。さて現在は、その多くが機械で作られ、大量生産されています。ここに至る過程は、まず中国まで伝わっただんつうの技法が、十字軍の遠征などによりヨーロッパ諸国に広がっていきました。そして18世紀の産業革命の進展とともに、機械織りの商品が生まれたのです。また別のルートでは、だんつうと同じく西アジアで発達したビロードの技法が、エジプトの職人により、ヨーロッパにもたらされたという話もあります。


手作りから生まれたものが、いろんなルートををたどり、ヨーロッパさらにはアメリカなど先進諸国にたどりついて機械化されていったのです。さて日本へ伝わったのはいつごろでしょうか。邪馬台国の王に中国の皇帝がペルシャじゅうたんを贈ったという話もありますが、その頃の日本は、織る、編む、組むといった技法がすでにありました。素材には植物が利用されていました。これが「こも」や「むしろ」です。やがて奈良時代に入り、仏教が伝わったことから、日本文化の象徴の一つとされる「畳」が登場します。パイルのある敷物が国内に広まり、そして作られるようになったのは、ずっと後の江戸時代に入ってからでした。それからは国内でもどんどん広がっていき、大正中期には平織り敷物がアメリカからもたらされ、明治に入りさらに洋風文化の影響を受けると、機械織りのパイル敷の需要が出て、現在にいたるまで発展を遂げてとげてきました。